2025.08.27
CITY THE ANIMATION
制作を振り返って ⑧
「ラップ」

本作では、「たのしい」と「かわいい」を指針にさまざまなセクションによる様々な試みを制作に盛り込んでおります。ただ、ひと言に「たのしい」と言っても色々なことが「たのしい」と表現できると思います。
「びっくり」もたのしいし、「しょんぼり」だってたのしい。たのしいはなんだって包み込めるすごい感情なのだと、自身もこの作品を通して感じましたし、改めてあらゐ先生の凄みを感じざるを得ません。
さて、様々な「たのしい」を内包しようと悪戦苦闘した本作において、劇団テカリダケの公演も中々に大変だった一つです。
原作をご存じなら大体の方は想像すると思われるのですが、基本的に光岳のしゃべり口は所謂「講談」に当たるのではないかと想像されると思います。
おそらくあらゐ先生もそのつもりで描かれているのではないかと思います。

ここに関して、ある日。音響監督から、
「そのままやったら面白くないよね。ラップでいこう」と、電話口でお話しを受け、
「なるほど」と返したものの、どうやったらいいんだ?と。すぐには具体的方法論が思いつかなかったのですが「演出(担当者)にリズムがあるかって話だよね」と続けてお話しされて少し方法論が見えました。
光岳の演目は、
演出さんがコンテ作成後、自身でラップ調にリズムをつけた映像を簡易的に作成し、それを音楽の担当の方にお渡しし、ベースになるリズムは崩さず音楽として仕上げてもらう。そして合体させるという、凄くざっくりというとそういった工程で作られています。
(実際には絵と音を合わせるためにもう少し工程を踏んでいます)
その上で、光岳のキャストである福山さんがバシッと決めてくださって、唯一無二なエピソードになったと感じております。
原作を読まれた方からするとかなりイメージと違ったのではないかと思いますが、アニメーション版の劇団テカリダケも「たのしい」の一部として見ていただけたら嬉しいです。

続く