2025.09.17
CITY THE ANIMATION
制作を振り返って ⑪
「尺」

「おやじサマー」を前回のコラムにて振り返ったのですが、「おやじ」の需要が本当に低いという一般論を忘れておりました。大変失礼いたしました。

自身も、おやじ界隈の端くれなので、おやじネタが大好きなのです。
「語彙」というエピソードもそうでした。おバカなおやじの哀愁ネタが大好物なのですが、本当に世間では求められていないのだなと、初期の構成打ちの段階から感じておりましたことを思い出しました。
以後気をつけます。
さて、本作の「たのしい」のための工夫として、#11までご覧になってくださっている方ならもうお気づきのことかもしれませんが、プログラムとしての定尺というものが存在しません。
ひと話数ごとに、映像のトータルの長さを変えております。
これも実は普通のテレビプログラムとしてはかなり珍しいことで、通常は定尺というものが存在し、必ずそこに収めていくものになります。
エピソード毎に最適なタイムを設定して映像として完成させる。
贅沢なことかもしれませんが、作品としての最善を目指すには大変ありがたかったです。
こちらは内容の工夫ではないですが、外側の工夫としても、関係各者の尽力があってこそであったと思います。
ありがとうございます。

良い作品を作りたい、そのためにどれだけの人が一丸となって努力できるか。
そうすれば必ず良い作品になるという保証があるわけではありませんが、その仕事は必ず、次に繋がる、次に繋ぐための礎だったり、きっかけにもなり得たりするものと思います。
そして本作は、きっとそういう作品になったと信じております。
観てくださって本当にありがとうございます。
続く